田宮病院 精神科病棟 第8病棟「ホスピデンス棟」
クリニック・病院 ほか
精神病院における今後の開放型治療病棟の在り方の提案
Hospidence
田宮病院様は、開院以来開放的処遇につとめてきました。 また、精神療法的なアプローチも重視してきました。 第8病棟は、一般急性期患者を対象に短期療養型、開放タイプの治療
棟として計画されました。外観は、郊外立地型であり、自然環境 に恵ま
れている敷地に大きな家族を包み込む様なデザインが採用 され、内部
空間は、多世帯が住む小さな街づくりの空間を想定し てみました。
廊下は道であり、夫々の病室を各戸の住宅にみたて てみました。
家々には、屋根がかかり、所々にロフトのあるすま いから光が洩れて
きます。道の両脇には、街路樹(RCの丸柱) がチドリに配され、空に向
かって大きな葉(キャピタル)を拡げ ております。所々、天窓から入る光
は、ちょうど木滞れ日の様で もあります。食堂ディルームに大空をかけ
わたし、天の川がちり ばめられております。当病棟は、全体では大きな
一つの家族を考 えながらも、個々室を大切にした空間づくりになってお
ります。 第8病棟は、別名、ホスピデンス(Hospidence)棟と呼ぶ事に
致しました。病院(ホスピタル)でありながら、我が家 の居室(レジデンス)
感を出すように計画されました。
以上のコンセプトを成り立たせるため に 構造計画は、フラットスラブ工
法を採用いたしました。
大屋根に4つの小さな棟屋と大きな棟屋をつけてアクセントとする
マッシブな柱を避けてスレンダーな面の重なりでリズム
感をつけた深い屁で落ち着いた立面にする
小鳥のさえずりに目がさめて
太陽が大きな窓にのぼりはじめる。
昼には、大きな枝をはった樹々の間から木こもれ陽が
ふりそそぐ
遠くで聞こえた小川の囁やきが勢いを増し
豊かな樹々の葉と協奏曲を奏でるのだ。
やがて、太陽が山辺に近づく頃どこからともなく
聞こえてくる豆腐売りのラッパの音そして家々の
ともりはじめた灯火は、温もりの我が家を演出し
てくれる。
哀愁をおびたバイオリンの音!
バイオリン弾きがロフトの屋根の上で、そこかしこに
見えかくれする。
静かに流れるアイネ・クライネナハトムジークやがて、
夜の静寂に響きわたる・・・。
星座の群達「おやすみ」の;一言で、また朝を待つ病院
にそんな街が出来たら・・・ とおもいHospidenceが
誕生した。
大きな切妻を小さな切妻で2つに分ける事に
よって、威圧感を避ける。
丸柱と丸キャピタルで構成されたフラットスラブ工法をそのまま樹々にたとえて内装表現した。
ディルームには夜空が配され、天の川がちりばめられています
廊下は道であり、病室は夫々の家である
病室は夫々の家であり、ポーチ灯は個室間を演出
している
樹々とあずまやで屋外空間の演出
個室空間。アール天井と間接照明でやわらかさを出し、腰壁のシナ合板で、わたしの居場所を構成
4床室 照明は全てやわらぎのある間接照明を採用
ファンコイルユニットをかねたロフト
各病室の入り口の表札は、動物たちのデフォルメ