【築縁様インタビュー】「Fika」に暮らす家
2022.08.22
くらし・たずねて
「完成がはじまりです」
いつも、そんな気持ちでお引き渡しをしています。
家具が入り、家族が過ごし、日々を重ねる中で、その家らしい空気が生まれていく―。
家族とともに育ち、独自の色を深めた「数年後の住まい」を訪ねました。
コンパクトな住まいに
明るさと開放感
【DATA】
長岡市H様邸 / 2019年入居 / 夫婦+子ども1人 / 新築
「明るくて開放感のある家にしたい」。実家の隣に家を建てることになったH夫妻は、まず、そう伝えた。ただし土地は30坪で、実家には、昼間でも電気をつける部屋があったという。「限られた面積の中で、どれだけ明るさと広がりを感じさせられるか」。設計のテーマは決まった。
高田建築事務所のファーストプランを見た時、「これだと思った」とご主人は振り返る。どこにいても明るく、風通しがいいことが伝わってきたからだ。奥さまも「毎日が楽しそう」とごく自然にイメージが広がったという。リビングとキッチンの近さ、外ごはんができそうなベランダ。実際に暮らし始めてみると「想像以上の住み心地です」と二人は口を揃える。
「まず、2階リビングが大正解でした」。明るいだけでなく、冬は暖かい。そして窓の外、遠くの山に、近くの土手にと視線が抜け、大きな開放感に包まれる。朝日はTVの上の二段窓から差し込み、夜になれば上の窓から月が見えることも。きれいな夕日が見えそうな時には、2歳半になるお子さんと一緒に外に出て土手を上り、眺めるようになったという。
もともと人を呼ぶのが好きなH夫妻。来客に特に好評なのは、キッチン脇のダイニングスペースだ。コーナーを生かして、ちょっと籠れる小部屋のような雰囲気に。壁際にはベンチを造り付け、ダイニングでもリビングでも大人数でワイワイできる。
キッチンとダイニングの間には、壁裏に水回りが集められている。料理をしながら洗濯をしたり、干したり、取り込んだり。さほど移動することなく、家事を同時進行できるコンパクトな間取りは、ストレスレスな毎日を生んでいる。
玄関を入ると、決して広くはないものの、奥行きと広がりが感じられる。ステップだけの階段から落ちる光、ステップの間に抜ける視線。階段の役割は大きい。
ご実家である隣家とは、プライバシーを考え、十分に距離を置いて設計された。リビングは離すなど、声も漏れないように配慮されている。ただ、将来的にはつなぐこともできるように、またそうしたつながる暮らしの可能性を残すためにも、1階には、開けることのできる開口も用意された。
念願のオープンキッチンでは、リビングにいる家族との会話も弾めば、来客時にはダイニングスペースと一緒に盛り上がる。「家って、建てて終わりじゃない。高田さんを選んだのは、長い付き合いができそうだと思えたからですが、暮らすほどに、それを実感しています」。家族の暮らしや将来までを織り込んだ設計も、長い付き合いを見通した一つだろう。
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