【築縁様インタビュー】土間でつながる暮らし
2022.07.29
くらし・たずねて
「完成がはじまりです」
いつも、そんな気持ちでお引き渡しをしています。
家具が入り、家族が過ごし、日々を重ねる中で、その家らしい空気が生まれていく―。
家族とともに育ち、独自の色を深めた「数年後の住まい」を訪ねました。
フルリフォームで
土間と庭、つながる住まい
【DATA】
長岡市K様邸 / 2020年入居 / 夫婦 / フルリフォーム
窓の外には、芝生の緑、赤と緑の葉が美しい木々。室内には、ウチ土間が走る大きなひとつながりの空間。床は、あえて節のあるオークを選び、土間の天井や収納扉はラワンの素材感をそのまま生かすなど、ラフな質感とマットな色が溶け合う。「ちょっと不便でも、広々と暮らしたかった」。新築を考えていたK夫妻は、環境を優先させ、中古住宅を全面改修した。
和室が3つ続く昔ながらの間取りを、土間のあるひとつながりのLDKに。「薪ストーブと土間は必須で、内と外がつながるようにしたかった」。奥さまの中には、はっきりとした絵があった。土間には観葉植物、冬になったら薪棚を置き、窓から大きく庭を眺める。時には、土間からソト土間に直接出て、ちょっとひと休み。
ウチ土間は、もともと縁側だったところを造り替え、窓を開ければ、ソト土間ともつながるように設計された。担当者の提案により、ウチ土間の一部を下げたことで「部屋の角に置きたいと思っていた薪ストーブの納まりもよくなった」とKさん。段差のある土間とLDK、床と天井の素材に変化をつけた結果、雰囲気や暮らしの場面も自然と分けられ、表情にも奥行きが生まれている。
リビングダイニングとつながるオープンキッチンは、カウンターや収納棚などすべて造作。収納扉はラワンの素材感をそのまま生かし、壁のタイルは質感のあるグレージュに。「マットな色や素材感が好き」という奥さまの好みでまとめられている。
TV裏や寝室の塗り壁は、夫婦2人のDIYで仕上げた思い出の場所。「どうしてもキレイに塗りたくなる」というご主人に、「ムラをつけてほしい」とリクエストし、こちらも、手触りのあるテクスチャーに仕上がった。
LDKには、開放的なひとつながりの空間を、区切りながら使う工夫も光る。たとえば、玄関との間を仕切る壁は、裏側が収納棚に。外からは見えない場所を有効に活用しつつ、暮らしやすさも支えている。
暮らしやすさといえば、なんといっても水回りの配置だろう。キッチンの裏側に、造作した洗面台をはじめ、脱衣室、サンルームがコンパクトにまとめられ、家事動線はとてもスムーズだ。
引っ越して2年。草を刈り、木を増やし、芝を張った庭は、グレーの外壁を背景に、日に日に色濃く緑が映えるようになった。「どこにいても、ゆったりと過ごせるのがいい」とご主人。奥さまは、好きなものに囲まれて暮らす時間が「しあわせ」と言った。
●「土間でつながる暮らし」住まいの実績写真は こちら から