還暦になってはじめての健康診断
エッセイ
健康診断にもサービスが付くんだ?
10月14日は一年に一回の会社の健康診断である。
例年だと診断日の1週間前からお酒を控えて養生するのであるが今年は様々な会が重なってそれが出来なかった。
食べ放題・飲み放題で肥満もセーブできず結果は期待できない。
最初に測定したのが血圧である。現在では機械計測であるから、まけて貰うことは出来ない。
それでも計測前は慎重である。後ろが早くという声が聞こえるのを無視して、深呼吸を数回繰り返す。見事上が117、下が76であった。良し!と自分自身で妙に納得して大きくうなずき得意になって記録紙を看護士さんに渡す。すると、もう一回計って下さい。えっ?何で?折角良い数値が出たのに!すると看護師さんが60歳過ぎると2回計測することになっています。と
もう一度計る時はどきどきしていたので心配であったが、ほぼ同じでちょっと上った程度であったから、やれやれである。
そうか。還暦過ぎると健康診断までサービスを受けるのか?
体重計に乗ると去年より1kg増えていた。着物を着ての計測であるから、今日は厚着してきたので2kg減らして欲しいと嘆願したが、何時ものように1kgしか減らしてもらえなかった。専務(弟)がここ半年で10kg以上も減量して私と同じ数字に迫ってきたから看護師さんとの交渉にも熱が入っていた。
体重に引き換え、身長は5mmほど減っていた。こちらは増やしてもいいですよと言っても取り合ってもらえなかった。デジタル時代が反映してか融通がきかなくなった世の中になったことを痛切に感じるのは私だけではないと思う。(と野暮を言っている私である)
聴力検査の時に「智に働けば角が立つ、情に棹させば流される、意地を通せば窮屈だ、兎角この世は住みにくい」 夏目漱石先生の言葉が響いてきた。
そして、検査は続く:レントゲンである。レントゲンさんはよくもこの機械を作ったものだと感心しながら:「息を大きく吸って!はい止めて!はい、吐いて下さい!」のアナウンス。
服を着て中待合で次の検査を待って居るとレントゲン受付の方が、高田清太郎さんおいでですか?ハイ!と大きな返事。もう一度撮らせて欲しいのですが。えっ?どうかしましたか?即、検査結果が悪いのだろうか?それにしても反応が早すぎる。恐る恐る聞いてみる。どうかしまいたか?表面上は平常心で、内心はどきどきで!いや、全部入らなかったのです。えっ?大きく吸うようにアナウンスがあったのでそのまま大きく吸ったらはみ出たらしい??もう一度:還暦になるとレントゲンも二度撮影するサービスになっているのか?変な感心をしていると、機械音のアナウンスである。ハイ大きく息を吸って!思わず三度目の撮影はご遠慮させていただこうと本能的に、私の頭は自分に「ハイ小さく息を吸って!」になっていた。
周りからは二度もレントゲンを撮ったのか?と嬉しそうである。すると突然なんで、病院では「トル・とる」なる言葉がこんなにも多くあるのだろう?と関心もしたし、不思議にも思った。レントゲンを撮る・血を採る・脈拍を取る。そして、看取る????
60歳から二倍になる!と自問自答していると、採血ビンが二本渡された。エッ?こちらもサービスですかというと、例年と同じです!?あっそうだった?視力検査も右に加えて左とこちらもサービス?普通です!?心電図は心臓は左なのに右にも検査ピンが取り付けられる。何でも二倍に見えてきた。取り直しと言われる前に小便はカップに何時もの二倍入れることにした。
医療はサービスであると以前視察旅行でお伺いした小松温泉病院院長さまから聞いたことを変なところで思い出した。
出来ればサービスはこちらの納得行くところでのサービスが欲しいものである。体重を減らしてくれるとか?身長を慎重に伸ばしてくれるとか?ムジャムジャ考えながら検診が終わる。
漸く開放された。しかし問題はこれからである。検査結果が気になるのが還暦かもしれない。
現在までのところ腰痛以外は支障ないと思っているのであるが、薬を飲んでいない私に薬を飲む様に言われるのは耐えられない。
風邪をひいても検診後かぜだと分かれば納得して薬は飲まない。新薬は信用していないと関係者に言うと、それは高田さんの勘違いであり、独りよがりである。と!
強い薬が出ると胃をいためるから?と質問すると、そんなことは無いよ。強いというレベルが違うと解説された。薬は全然問題はない。心配要らないと???
それでは、薬の服用時間の指定でも食前・食後・食間がある。それも神経質にならなくていいといわれてびっくりした。腹に入れば皆同じさ!
長い間、食間というのはそのまま食事をしている間におかずの様に飲むと思っていた若き日を振り返ってにんまりでもある。飲んでも飲まなくっても何れにせよ健康第一は万人の願い。
わが町:摂田屋5丁目は何かとイベントが賑やかだ。10月30日31日は地域文化祭!
子供たちの描いてくれた文化祭案内ポスターにはほのぼのしたものを感じる!