高田清太郎ブログ

年初恒例行事:大正月と小正月



エッセイ

年初に想う:一年があっと言う間に過ぎる:そして正月には例年と違わず恒例行事が続く。毎年、同じようであるが毎年変化している。例えば外貌は同じでも昨年一年の新しい味が加わって心中に変化があるように!
正に「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず!(方丈記)」である。
1月15日の小正月が終わると流石に正月気分も無くなる。
以前は1月15日が成人式であったが、現在は第二月曜日となった。しかし、豪雪地長岡は成人式を5月の連休に移動して久しい。かつて15日に青年の主張を聞いてお餅を食べて・・・・
嫁に行った娘達が夫婦で泊りがけに帰ってくるのである。薮入りである。幼き日にお袋の実家にバスに揺られて行った日を懐かしく想い出す季節でもある。
建築業を生業とする私共の仕事場ステージは冬になると雪との闘いでもあった。尤も冬仕事も極端に少なかった時代は、小正月まで休暇をとるのは当たり前であったように記憶している。
かつては雪の多少の差はあっても外仕事は雪と闘いながらであるから容易ではなかった。大雪にもなれば職人も雪降ろしに労働力を取られて本業は遅れてくるのも避ける事は出来ないが。
それでも春夏秋に較べれば冬になると仕事も少なくなっていたから丁度良いバランスでもあった。
冬工事の建築は良くないのではないかと言われてきたが、近年ではそのジンクスも無くなってきた。技術革新・資材品質アップのお陰でもある。
現在では構造も造作もプレカット工法になって工場で全部刻んでくるのであるから現場では組み立てるだけである。上棟して屋根さえ掛けてしまえば心配する事はない。
上棟式は高温多湿地帯の建築工法の真骨頂である。まず屋根をかける。そして水気・雨水を払って造作に取り掛かるのである。
構造材もかつてのような製材されたばかりの生木(グリーン材)ではなく、KD材料(乾燥材)を使用しているから建ててから乾燥期間を取る必要がなくなったのである。
一年中どの期間でも建築が出来るようになったわけである。反対に仕事さえあれば小正月まで休むこと自体が勿体無い風潮である。実際にリプチの森(弊社造成の48区画分譲土地:摂田屋5丁目地内)の上棟現場では正月休みは3日まで、4日から仕事をしている若き棟梁が二組居られた。
正月だから休もうよ!と言う期待にはちょっと不具合な環境が出来てしまったかも知れない。
今年の大正月の三が日は雪も降らず落ち着いた雪国の風景で始まった。反対に小正月を目掛けてここ数日は雪模様である。しかも大雪警報?
予報を見た築縁様(弊社で建築をされた皆様)もその予報に敏感である。
今朝は会社のほうに屋根の雪降ろし依頼電話が徐々にではあるが、鳴り始めてきた。スタッフが電話で手配する賑わい、これも雪国で巣舞づくりをしている会社の見慣れた風物詩である。
元旦から振り返ってみると
薮入りを待たずに1月1日には二組の娘夫婦やってくる。長岡市内に住んでいるので泊まりこみでない元旦女正月である。
まだ独身の長男を含めて大いに今年を語り合う。私の膝元には孫の特別席が早くも出来上がっていた。特に大正月の3日は雪が降らなく、穏やかだったのでとてもゆっくりであった。
1月2日は年初礼拝である。今年初めての礼拝には新しき希望が語られた。今年も一年が始まったなと実感する日曜礼拝である。午後からは女房の実家に新年のご挨拶。
そして毎年1月の2日から4日にかけては会社の年頭会の準備に入る。素材は前年に用意しておくのであるがまとめるのは、どうしても新年になってからである。正月番組を年前に撮影している技が出来ないのである。年頭の言葉は年頭の空気で考えまとめたいと思う長年の習慣でもあるからである。
1月5日が高田建築事務所グループの年頭会である。グループ会社全員で62名:次第は私の話を1時間弱・それから幹部・全社員の昨年の反省と今年の抱負を語ってもらう。
会社には毎年、重点課題と称してテーマをつくって出発である。昨年は「笑顧(エコ)創造」であった。建築主様に感動引渡しをさせていただく。そして顧客になってくださった巣舞人様から笑顔・お喜びいただく・心から感動していただく。(感動涙あり・感動笑顔あり)
そして今年は「育夢(はぐくむ)創造」である。建築主様の夢を育てて満足のいく巣舞づくりを提案させていただこうと言うものである。
年頭会は朝9:00から始まって休憩を挟むが13:00まで4時間かけての年頭決意発表会である。
その後、昼食を共にする。社内新年会が開催される。皆元気な顔を見せてくれているから社長の私にとってもとても嬉しいひと時である。翌日から仕事と言う事でアルコールを控えるスタッフは多いが、美味しいお料理で元気百倍になってもらう。
  社内年頭会                                  懇親会:新年会

1月9日(日)は町内の塞の神祭りであった。
今年は鏡開き・蔵開きである11日前であるから少々感覚がずれてしまった。かつては飾り物を燃やすのは11日以降と思っていたが?休暇も多くなった合理的な現代では日曜日にあわせさえすれば前後にはお構い無しの日程組?
弊社のお手伝いは例年のように塞の神の芯木とアンコ木材の供給であった。
9日の午前中は雨模様だったので準備にはてこずったようである。かつては夕方からの着火であったが現在では14:00からの着火である。昔のように火の灯りを楽しむと言うよりもお餅やお汁やおでん等を楽しむようになってきた。秋の文化祭に引き続き町内上げてのお店開きである。
我が町内の塞の神が終焉する夕方に隣町内の塞の神が着火される。同時に花火打ち上げを楽しむのである。雪上花火も又楽しからずや!である。
私の方は生憎(あいにく)9日午後からは、初釜に御呼ばれしていたので塞の神に参加し楽しむ事は出来なかった。
  塞の神

1月9日(日)は初釜
20110109(日):茶道部の滝沢社中の初釜会である。午前中は炭手前から始まって4.5畳の小間で濃茶点前を楽しむ。そして午後からは八畳の広間で薄茶点前を参加者全員で点てる。
私は午後の薄茶点前からの参加であった。順番に点前をしていくのである。忙しいと定例練習に中々出席できない。そんなときには昨年NHKTVでやっていた趣味の時間のビディオを観て集中練習に入る。
要するにイメージトレーニングを怠らないことである。
そしていよいよ、私の番である。午後の席について直ぐの作法であったので多少気が浮ついていての点前であったようにも思えた。
そして、私の点前茶は正客様から飲んでいただくことになった。正客様からは「タマの出来たお茶を頂くことになるかと思っていたら、点てる手の揺れがよかった。そして飲んでみると、とても美味しかったです。結構なお点前でした。」のご挨拶に「豚も木に登る」様な心境であった。
全員が点て上げる頃には新年の宴席が用意されている。料亭バスが迎に来てくれていた。
    
     
     
 
1月14日は長岡木族の会(職人さん・高田建築事務所の協力業社会)の新年会である。
こちらも年頭会と同じく建築の協力業者さんたちとの初顔合わせである。
15:00から18:00の3時間を使っての第一部である。
恒例によって代表者としての私からの今年に望んでの話を丁度1時間の時間を頂いて話させていただいている。
その後、木族の会の長岡会長・新潟会長からのご挨拶を頂く
そして引き続き各部門長・工務監督からの今年の抱負報告をしてもらう。
その後表彰式である。営業協力表彰・現場ショールーム化表彰と続く。
3時間があっと言う間に終了である。(と思うのはこちらだけかもしれないが?)
昨年先導された国の景気刺激策であるが。①住宅版エコポイントは呼び水になってくれている気がする。②生前贈与1500万円も功を奏しているように思えた。③フラット35による金利1%ダウンもプラス要因になっている。
サブプライム問題に端を発したリーマンショック以降に大打撃を受けた住宅着工数が100万戸割れを一気に加速させて77万戸という数字がでてしまっていた。その上での前年結果だけに国の景気刺激策には一息つけるような様相であった。現況報告も委細に行われる。
第二部の宴席は18:00からである。前年対比がアップしていると皆の顔が明るい様な気がする。勿論、前々年比と較べればまだまだ二桁のダウンである現実を忘れているわけではないが!
例年の恒例行事が今年も顔をのぞかせる。何時もの様に年初めは大忙しである。
・・・・・今年も良き年を祈念するのみ!

   長岡木族の会新年会

   新潟木族の会新年会