白熱教室
エッセイ
4月になったのにまだまだ寒い朝が続く。凍み渡りも3月30日・31日と4月1日の3日間連続で楽しめたのは寒さのせいでもある。時々、白いものがちらついてくるから、まだまだ寒さは継続するのであろう。
一昨年5月から始めた私のブログがもう一回で100回になるとスタッフが教えてくれた。99回目のブログが東日本大震災のブログ内容に変更されてしまった。
100は百である。その一つ手前は1ひいて99。そして漢字の百から一を抜くと「しろ」と言う文字になる。誕生日のお祝いに77歳を喜寿!88歳を米寿!と呼ぶように99歳の節目を白寿と言う。
白は可能性を表す色でもある。どんな色にも染まることが出来るからである。又塩は塩のためにあるのではなく、他者を防腐したり、相手の味を引き出すために必要とされるように、白は図を引き出す地になるのである。正に99は100の大台を引き出す前座・幕引き役でもある。
春は復活の季節。真っ白な雪国の風景が田圃の土色に変わり新たな生命を生み出すリスタート・出発の季節である。新しい門出を飾る結婚式のシーズンでもある。純白の白は花嫁にはピッタリである。バージンロードは日本の場合にはほとんどが白!(諸外国ではカラフルの色彩もあると聞いた。)
貴方の罪は緋の様に赤くとも慰めと許しの神は雪のように真っ白にする!と言われる/私は創ったゆえに持ち運び、かつ救う!白髪となるまで貴方を見守り持ち運ぶ!と。(バイブル)
又、光の三原色を当てて混ぜると白くなる。
白が熱を持つと「白熱」となる。白熱教室は一回の受講者が1000名を超えるという一躍有名になったハーバード大学のマイケル・サンデルの白熱教室!政治哲学授業「正義とは何か?正義について語ろう」は手に汗を握る想いで緊張感を持ちながら見ることが出来る。
講師から聴講者に向う一方的授業ではない。双方向授業である。考える講義である。テーマが与えられる。それに対する意見が交換される。様々な意見が飛び交う。正に様々な色が飛び交うのである。そして、特殊色ではなく全て色調を受容する白色の熱エネルギーが放出されるのである。
白熱:雰囲気・感情などが極度に熱を帯びた状態になること。
赤熱:真っ赤になるまで熱する。
黄熱:急性ウイルス性出血熱のひとつ!
この様に熱には様々な色がある。そして、熱血先生はど迫力!
千葉大学でも慶応大学でも白熱教室と称してマイケル・サンデル先生と同じ授業が開催・公開されている。
そして、20110307号のプレジデントには“孫正義の白熱教室”のテーマは“世界一の「問題解決」の話をしよう!”である。孫正義氏が出題する「思考力を磨く」全30問を通して行われている。
自ら出題、あなたの思考力を磨く全30問
設問:出版する雑誌8誌のうち7誌が赤字に!その時に立て直しか?廃刊か?
設問:会社が上り調子の時期に肝炎の診断!療養専念か?病気を押して経営専念か?
設問:買収先の「企業文化」は尊重すべきか!一気に融合?徐々に統合?
設問:使えない「下位10%社員」をどうするか!リストラ?人事異動?教育?
設問:経営者は「大ボラ」を吹くべきか!避ける?自分を追い込む?
・・・・・・・・・・等と楽しみながら孫氏過去を学ぶことが出来る。
ハーバード大学の政治哲学の教授であり、1980年から同大学で教鞭をとる。ブランダイス大学卒業後、ローズ奨学生としてイギリスのオックスフォード大学に学び、博士号取得。1953年生まれ。
個人のバックボーンとなる共同体を重視する共同体主義(コミュニタリアニズム)の中心的論者で、国内外で民主主義、リベラリズム、生命倫理、グローバリズム、正義について講義を行う。2002年から2005年にわたり、大統領生命倫理評議会の委員を務める。2009年には、イギリスでもっとも権威ある公の講義といわれるBBCラジオのリース・レクチャーの講師を務め、『新しいシチズンシップ』のテーマで講演を行った。
著作は11か国語に翻訳されており、主要著書は、『自由主義と正義の限界』(菊池 理夫訳、三嶺書房、1992年)、『リベラリズムと正義の限界』(菊池 理夫訳、勁草書房、2009年)など。最新作は、『Justice: What’s the Right Thing to Do? 』(2009年)。
NHK番組概要(2010年年末から2011年年始に掛けて放映されたインターネットからのコピー)
創立1636年、アメリカ建国よりも古いハーバード大学の歴史上、履修学生の数が最高記録を更新した授業がある。政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業「Justice(正義)」である。大学の劇場でもある大教室は、毎回1000人を超える学生がぎっしり埋まる。あまりの人気ぶりにハーバード大学では、授業非公開という原則を覆し、この授業の公開に踏み切った。ハーバード大学の授業が一般の目に触れるのは、史上初めてのことである。
サンデル教授は、私たちが日々の生活の中で直面する難問において、「君ならどうするか?何が正しい行いなのか?その理由は?」と、学生に投げかけ、活発な議論を引き出し、その判断の倫理的正当性を問うていく。マイケル・ジョーダンやビル・ゲイツはその仕事で、すでに社会に貢献しているのになぜ税金を納めなければならないのか。また代理出産、同性愛結婚、人権など最近のアメリカ社会を揺るがす倫理問題も題材となる。絶対的な答えがないこのような問題に、世界から選りすぐられた、さまざまな人種、社会的背景を持った学生が大教室で意見を戦わせる授業は、ソクラテス方式(講義ではなく、教員と学生との闊達な対話で進められる授業形式)の教育の最高の実例と言われている。
世界の若き頭脳たちの堂々たるディベート能力、知的探求心、考える力など、世界最高レベルの知的エリートの能力は、私たちに強烈な知的刺激を与える。さらには、宗教、人種、貧富など複雑に入り組んだアメリカ社会の構図を読み解く糸口にもなる。また副音声による英語放送によって、今のアメリカの生きた英語を学ぶ絶好の教材ともなるはずである.