高田清太郎ブログ

グリーンカーテンの準備は出来ましたか?



エッセイ

「今年の夏は例年並み?猛暑?冷夏?」今話題の中心である。
沖縄が梅雨明け宣言した時にまだ越後は梅雨入りをしていなかった。このような年は冷夏だとも言われている?気候が経済に及ぼす力には絶大なものがある。
冷夏であればビール生産を控えめに準備し、反対に猛暑であると予定が立てばフルスピードで生産活動に拍車がかかる。倉庫の中の在庫は膨れ上がるだろう。(勿論旬な味に勝るものはないから出来立てのビールがうまいに決まっているが、それでは需要に間に合わない)
特に今年は3.11大地震の原発事故で電力供給がダウンした。計画停電を出来るだけ避けたいために総電力量を制限しなければならない。今年は7月8月9月の電力15%ピークカットが必至命令でもある。と、
また、原発神話が崩れた今、13か月毎に停止検査する原発を再稼働させるためには多くのハードルがありすぎる。名実ともに安全第一の確証があればよいが、取り敢えずは許されない環境だからである。
対応は供給維持か消費ダウンのどちらかの対応が迫られている。現在までのところCO2を削減しながら新エネルギーを開拓するか?生活を見直すか?器具や機械の電気効率を上げるかである。
一方で新しいエネルギー(自然エネルギーの拡大:太陽光発電・風力発電・地熱発電やトウモロコシや芋生産を増やしていくバイオエネルギー利用・深海に眠るメタンハイドレート(燃える氷)etc.を早急に開拓して今の生活・産業活動を維持するのも重要であるが、もう一方で、如何に省エネで対応するかも今後とも変わらない大課題である。
弊社も電力節減の為に様々に取り組むことにしている。電灯を出来るだけLEDに替えることにする。取り敢えず今期は半分程度予定。
以前耳にした話であるが、日本中の家の電球の各一個をLEDにするだけで100万KW削減できるという。つまり、原発一基分に匹敵するそうである。LEDの活躍は消費側からの発電行為と言っても過言ではない。
機械に頼るアクティブ対応か?自然力を利用してのパッシブ対応にするか?が求められている世界は多面的に複合的に考求している。
夏の電気需要の一番大きくのしかかってくるのは何といってもエアコンである。(暗黙の温度設定は28度だと聞く。)私の部屋は一番暑い。昨日、扇風機を買に行ってきた。扇風機を回す電気量も必要電気量として換算することを忘れてはならないことは勿論である。
サマータイム制にして朝の涼しいうちに仕事をする。実際に都庁も7;30から仕事が始まっている。16:30には退社時間である。普段より一時間前に仕事する。それだけでかなりの電気料を節減できるという。我が社はもともと8:00始業開始であるから当社のサマータイムは7:00と言うことになる。これではちょっと早過ぎるだろうか?
エアコン設定28度も耐えなければならない。28度と言えばかなりのアツアツ感である、
クールビズは今年もファッション性も備わって結構楽しめそうでもある。
弊社もう一つのパッシブ対応の一つはグリーンカーテンである。タカモク(材木プレカット部・資材部)の休憩室は南向きである。大開口部のガラスからは思いっきり太陽熱がダイレクトゲインである。冬なら歓迎のダイレクトゲインも夏にはまさに試練をつくる根源である。
南開口部面にタカモクデザインの木製プランターを作り朝顔を植えた。日一日と成長している。(今まで成長する姿をこんなに眺めていたことがあっただろうか?)設置してから3日目にして、もうつるが紐に巻きつき始めた。
次には二階のモクードの西日を避けること。社長室の私の部屋の外にもグリーンカーテンを設置した。こちらはゴーヤである。リクエストに応じたグリーンカーテンも面白い。何よりも成長する楽しみは何物にも替え難いところである。
また工場の数か所にケヤキほかの樹木を植えることも計画中である。
土間の中心にも植えれば朝の体操も朝礼もとても生き生きしたものになるだろうに。しかし、こちらは現場サイドから一蹴された。資材を運んでくる11t車の運転手さんにも聞いてみた。答えは「????ちんぷんかんぷんであった」バカみたい?アホと言えない朝顔ならぬ眠気顔?を表現している。

折しも30年来お付き合いいただいている元OMソーラー主宰であり現在、工務店ネット代表の畏兄:小池一三さんから先ほど届いた「スイス訪問」第一報を転写させていただく。
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こちらの住宅は、日射遮蔽にものすごく熱心です。
エアコンを使わないからです。それが決め手とばかり、オーニングあり、外付けルーバーあり、緑のカーテンありで、手法も多彩です。夏対策は、ヨーロッパでは不要と考えていましたが、建物に即していえば、日本人以上に、自然と応答して解をつくっています。
日本人は、エアコンに頼り切っていて、建築については、つくづく怠惰だと思いました。オーニングも、外付けルーバーも、さてモンスーンの国でどうだろう、ということはありますが、「木陰の涼しさ」ということを、彼らは分かっていると思いました。
今日は、午前に郊外の建築中のアパートメントと、建築家の仕事による住宅、午後から、チューリッヒ工科大学の研究室と、国立材料研究所を訪ねました。フクシマのことは、こちらの研究室でも大きな話題になっています。スイスは、ドイツよりも早く、原発の全廃を連邦政府として打ち出していますが、フランス国境に接するバーゼル、ジュラ両州が、フランスのアルザス地方のフッセンシイム原発の運転を一時停止を申し入れたことがテレビでも話題になっていて、彼らがフクシマに敏感なことを示してあまりある話です。島根県と山口県の人が、韓国の原発を止めろ、と要求しているようなものですので、過激と言えば過激です。そうした流れを受けて、建築も変わらなければならないという意思が明確で、その意味で、先方とこちらの意思の通い合いは、つよいものがありました。
材料研究所の実験施設は、お金が掛っていることに驚きましたが、東大を出て研究所に勤めている少壮の研究者が、東京の気象データを用いて、ここで得られた物性データのシミュレーション(特に、高密度な木繊維断熱材の吸放出性能性に関して)をしていることに感心しました。同行している荏原氏の目玉がキラリと光り、荏原氏は荏原氏で持参したきたデータがあり、今度は先方が感心するなど、おもしろく、深い議論が得られました。
チューリッヒ工科大学では、Wallbaum教授が、われわれ一行のために、大学の教授専門のレストランで昼食を用意していて下さり、共通の話題に話が弾みました。
いずれにしても、見るもの、聞くこと、一つ一つが新鮮で、みなさんにも見ていただき、聞いていただきたくなりました。交流シンポジウムを含めて企画しますので、その折には、是非ご参加ください。
イタリアはスイスの隣ですので、ゴルタルト峠を越えてイタリアに入る旅もいいな、と思いました、この道は、亡くなった宮脇檀さんと一緒にバスで越えたことがあり、その時は、長岡の高田清太郎さんとご一緒でした。
スイスを越えてイタリアに通じる道は、「ゲーテ紀行」が有名ですが、宮脇さんは、ゴルタルト峠を越えるとき、ゲーテは、「もっと光を!」と叫んだんだよ、と言ったんだよと弾む言葉でいわれました。ゲーテは、「ああ、私がここで述べていることは、私がずっと以前から知っていたことなのだ。あのいやな天候の下でじっと耐えてきたずっと昔から知っていたことなのだ」と書いていますが、晩秋のスイスのベルンは、ルオーの絵の色彩に似ていて、暗鬱なものでした。峠を越えたイタリアは光に溢れているのに、とゲーテも、わたしも思ったものでした。しかし、今の季節はスイスも光に溢れていて、スイスに来るならこの季節だと思いました、スイス側にはピーター・ズントーの建物があり、峠を越えるとマリオ・ボッタのコモ湖の住宅があります。
今日は、スイスの地方都市の木の建築を見て回ります。 小池一三

このメールを頂いた私は今から小池一三さん帰国報告会が楽しみである。きっと暑い夏に熱い話題が聞けるだろうと確信している。

  南面するタカモク休憩室前に設置されたグリーンカーテンプランター
  制作はタカモク名棟梁:関課長      確りと紐に向かって伸びるつる
  3日目にしてすくすく伸びる朝顔  西日の対応プランター

  二階社長室前のベランダにも設置されたゴーヤと朝顔の協奏曲!ご期待を!