高田清太郎ブログ

社聴熟がまさに熟してきた!第12回目



建築/巣舞.間知.趣舞

社聴熟がまさに熟してきた!第12回目

*    20130201:二年目の社聴熟が開催された。通算第12回目の開催である。
・    一月は例年の様にあっという間に行ってしまう。(聞いた話の横流しであるが、一月・二月・三月を光陰矢の如し的比喩で表現してくれた。一月はまごまごしているうちにあっという間に“行ってしまう”二月はするりと“逃げてしまう”そして三月もまた、あっという間に“去ってしまう”)
・    一月が終わったら二月の月初めに社聴熟であった。手帖に予定が記載するのを忘れていた。準備は何も用意していなかった。フェイントを食らった様な気分である。何時もの癖で何か会があると準備をしなければならないと思う悲しい性でもある。
・    しかし、直ぐにフット一息!実は、社聴熟は社長が聴く会だから何も準備はいらなかったはずであった。ホッ!

*    “物語!語らなければ単なるもの!”
・    社長はいつも話しすぎだよ!と言うので今度は聞く側に回った社聴熟であった。それでも物語は語らなければ物語にならない。単なる物に終わってしまう。
・    社聴熟の参加者は毎回メンバーの入れ替わりもあるが12~3人のごく少ない会である。膝を詰めて語れる距離である。
・    現在の社聴熟の進め方は二人のスタッフから自分で過去経験・体験・体感した感動ある記憶に残った空間をプロジェクターを使って語ってもらうことから始まる。
・    初めてみる建築空間もあれば馴染のある空間もある。しかし同じ空間であっても発表者の個性ある視点で全く別な角度から発表を聞いた時はかなり新鮮ものである。
・    そのように新鮮な見方を発見して共有するのである。
・    2月のファーストバッターはI君である。取り上げた感動空間は
①    「三仏寺奥院(投入堂)」(鳥取県東伯郡):垂直に切り立った岩壁の窪みに建てられている。そして三仏寺文殊堂!
②    大谷資料館(栃木県宇都宮大谷):大谷石の歴史と巨大地下空間:まるでローマ帝国の遺跡みたい。
③    直島アートプロジェクト:(瀬戸内海直島)
④    シュレーダー邸:リュートフェルト設計:オランダ・ユトレヒト市内
の4点であった。光の演出・明暗・ギャップ美語り聞かせるI君は何時もよりも流暢である。
・    2番バッターはO君:
①    風の丘葬祭場:(大分県中津市)槇文彦先生の作品を取り上げる。
・    回廊式にアプローチさせる。そこに物語が出来てくる。継続・輪廻転生を予感させる配置。
・    昇天イメージステージの階段!
・    アプローチ中庭は日常との接点:葬祭という非日常を日常の設えで迎える演出。何の変哲もないから落ち着く:徐々に喧騒スペースから静寂スペースへ!次の間を予感させる前空間との絡み!
・    歩く建築:回廊式で次の空間を予見させる。まるで日本庭園の手法である。
・    生きるのには大変なエネルギーがかかるが死ぬのにも大変なエネルギーがかかるものと誰かが言った。(旅立ちにも大変なエネルギーが掛かる仕掛けがとても感動的である。)
・    槇先生はとてもセンスがいい。私は大ファンの一人である。ビックリするくらいに洗練されている。どこの角度から見ても決まっている。手抜きが無い。きめ細かな作家でもある。その空間を訪れるものを一瞬にして虜にしてしまう。
②    河井寛治郎記念館:(京都市東山区)
・    こちらも素晴らしい報告であった。
・    2題を取り上げての説明であった。いずれも回遊式の構成がとても好きだと言うO君の説明に皆耳を傾けていた。
*    発表者は感情移入をしながら語る。
・    空間に立った時に自分は何を感じているのか?又作者の意図を読み取る力が必要である。その次には語る必要がある。感情移入しているから聞くものを惹きつける。話がうまい。勉強している。
・    質問者はどこからこの空間を考えたのだろう?是非とも聞いてみたい。
・    象徴建築と実用建築のコンプレックスが見事に成立させている。

*    新潟大学大学院のM1学生と交議のスタイルと同じである。参加者全員から終講後、感想を書いてもらった。
・    異口同音に今までずーっと一緒に学生生活していたのに彼が彼女があんなことを考えていたのか?その発見に感動した。という。
・    社聴熟もまさにそうだ!同僚の考えに感動するのである。普段は仕事中には話せなかった心の深い部分を語ることが出来るのである。発表することで私の普段を拡げるのである。そして今まで表に出てこなかったある意味で宝物が表に出て来る。解放させるのである。
・    新入社員式で私から必ずお話させて頂くのがタラントの喩である。まさに自分のタラントを使って発表するのである。お互いが伸びていくのである。語れば語るほどに増してくる知識。使えば使うほどに増えてくる知恵!磨けば磨くほどに豊かさが増してくる存在!
・    次回が楽しみである。
・    ・・・・・・・・・・
*    バイブルに書かれているタラントの話を転写させて頂く事とした。
・    因みにタラントは貨幣の事:1タラントは6000デナリ(デナリは一日分の代償価格)
・    タラントはタレントの原語でもあるらしい。
・    ・・・・・・・・・・・・・・・・
・    マタイによる福音書25章14節~30節
25:14 天の御国は、しもべたちを呼んで、自分の財産を預け、旅に出て行く人のようです。
25:15 彼は、おのおのその能力に応じて、ひとりには五タラント、ひとりには二タラント、もうひとりには一タラントを渡し、それから旅に出かけた。
25:16 五タラント預かった者は、すぐに行って、それで商売をして、さらに五タラントもうけた。
25:17 同様に、二タラント預かった者も、さらに二タラントもうけた。
25:18 ところが、一タラント預かった者は、出て行くと、地を掘って、その主人の金を隠した。
25:19 さて、よほどたってから、しもべたちの主人が帰って来て、彼らと清算をした。
25:20 すると、五タラント預かった者が来て、もう五タラント差し出して言った。『ご主人さま。私に五タラント預けてくださいましたが、ご覧ください。私はさらに五タラントもうけました。』
25:21 その主人は彼に言った。『よくやった。良い忠実なしもべだ。あなたは、わずかな物に忠実だったから、私はあなたにたくさんの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。』
25:22 二タラントの者も来て言った。『ご主人さま。私は二タラント預かりましたが、ご覧ください。さらに二タラントもうけました。』
25:23 その主人は彼に言った。『よくやった。良い忠実なしもべだ。あなたは、わずかな物に忠実だったから、私はあなたにたくさんの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。』
25:24 ところが、一タラント預かっていた者も来て、言った。『ご主人さま。あなたは、蒔かない所から刈り取り、散らさない所から集めるひどい方だとわかっていました。
25:25 私はこわくなり、出て行って、あなたの一タラントを地の中に隠しておきました。さあどうぞ、これがあなたの物です。』
25:26 ところが、主人は彼に答えて言った。『悪いなまけ者のしもべだ。私が蒔かない所から刈り取り、散らさない所から集めることを知っていたというのか。
25:27 だったら、おまえはその私の金を、銀行に預けておくべきだった。そうすれば私は帰って来たときに、利息がついて返してもらえたのだ。
25:28 だから、そのタラントを彼から取り上げて、それを十タラント持っている者にやりなさい。』
25:29 だれでも持っている者は、与えられて豊かになり、持たない者は、持っているものまでも取り上げられるのです。
25:30 役に立たぬしもべは、外の暗やみに追い出しなさい。そこで泣いて歯ぎしりするのです。