今年度の新潟大学大学院の交議(講義)が終了!
建築/巣舞.間知.趣舞
個性ある建築を求められる方には本物の商売人たれ!* 「建築と倫理」:「理想の建築」について院生16人と15コマの格闘であった。
・ 15コマは「授業」ではない。「講義」と言うよりも議論を交えるから「交議」である。出来れば「格闘」であってほしいと思いつつ出席させて頂いた。私も講座が終了毎に、それなりに充実感と疲労感を覚えた。(疲労感が大きい時の方が多いかもしれないが)
・ 学生時代には経験することのない「建築と倫理」は実務世界ではとても重要な課題である。しかも毎日問われる課題でもある。常にジャッジが迫られる。つまり問題の大小は別にすれば毎日の様に岐路に立たされていると言っても過言ではない。損得勘定(感情)が倫理観の前に立ちはだかってくるからである。
・ 私達の仕事は規格住宅をつくる会社ではない。世界に一軒だけのオンリーワン個性住宅:物語性のある巣舞を造ることである。そして一軒ではなく、それを造り続けるには沢山の課題に挑戦して行かなければならない。
・ であれば回答はそれなりに沢山存在しているはずである。答えは待っている。用意されている。と信じる自分がいる。しかしベストアンサーかどうかジャッジするには悩むことも多々である。その岐路をどの様に交通整理して行くか?がタイムリーに要求されるからである。
・ 「建築と倫理」を学ぶに当たっては自分にとっての「理想の建築」とは何ぞや!と言う疑問を持つこと。そしてそのために一生のテーマになるか?一時の期間だけのテーマになるかは別として必ずテーマを持っていいただきたいことについて念を押す。そのことの訓練でもある。
・ 交議は一人一人から言葉と形化を表現してもらうところから始まる。発表者学生が一通り自分の理想の建築について話した後に沢山の質疑が出る。それを聞いた発表者は自分のテーマに様々な見方があることに気が付く。拡がって行くのである。視座が開けるのである。
・ 学生達は与えられた課題にはそれなりに応える訓練がなされているが、いざ自分のテーマとして考えるとなかなか難しそうである。自分だけの、一生の継続して行くテーマをこの交議内で探せと言っているのであるから乱暴かもしれない。
・ 他人の言葉でない自分にやって来た言葉!今、静かに目を閉じたときに語りかけてくる言葉、自分をとらえている言葉との出会いである。
・ 初めは面食らった感も拭えないが、16名が15コマの交議の中でテーマを一言集約して発表してくれたのであるから感動である。
・ 勿論、一生の課題をこの15コマの中で見つかる人もいれば見つからない人もいる。しかし、どのように変幻して行こうが今の時点でのテーマを掲げてもらう。これは必要である。
* 「理想の建築」と建築について
・ だからこちらから一方的に自分の経験を授業するのではなく学生たち各自から発表された「理想の建築」について、何故そのことがあなたにとって理想なのか?を聞きだしお互いに議論し合う。そして自分の考えを昇華して行こうと言うものである。自分で顕在的には認識していない潜在的に隠れている能力と関わりを引出そうと言う試みである。
・ 勿論最初の段階では問題提起をこちらから発案するが。
・ 理想の建築について考えること自体に多くの障害があることに気が付き、取り組みの難しさを沢山経験する。
・ そして常に変幻する「理想の建築」と自分が共存するのである。
* ことしも残すところ10日余りとなった。そして今年も沢山のイベントに参加させて頂いた。
・ イベントの中でも弊社だけの個別住宅見学会(巣舞のメッセージ展)は今年も37現場で開催された。個性ある巣舞づくりである。毎回同じデザインが無いので建築完成後も築縁様(OBさま)が今タカダはどのような空間を作っているかと時々顔をのぞかせてくれる。
・ そして住んでからの感想もスタッフに沢山情報提供して下さるからうれしい。
・ そんな具合に会場には多くの皆様からおいで頂き会場は何時も活気で満ちている。
・ 遠路はるばるおいでの皆様。天候・足元の悪い中にも関わらずおいでくださる皆様。沢山のエネルギーをお使いいただいての参加である。感謝の限りである。
・ 巣舞づくりに我が家の夢を描き・夢を育て・夢を実現する!そんな夢実現のお手伝いが出来るのであるからとても嬉しい。責任も重い!
・ その時には「本物の商売人」にならなければならないといつも思っている。
・ エッ商売人ですか?商売人と言うとマイナスのイメージを持たれる方が多くおいでである。それは間違った商売人の解釈である。
・ 損得の意識を確りと持たなくてはならない!というのは同じであるが。
・ 一般的に商売人と言うと損得勘定のたけた人。自分の得の事だけを考えがちであるが、本物の商売人の定義はちょっと違う。ベクトルで言うと方向が正反対である。自分の得ではなく相手さまの得を考える。
・ 言うは易し行うは難しである!相手さまの得を考える。そうでなければ企業が継続するわけがない。必要とされるわけがないからである。
・ お客様の得とは?喜びであり感動であり平安の創造のお手伝いである。
・ 企業がこの世から退場を強いられるのは不必要だからである。ニーズを確りと捉えないでミスマッチするからである。
・ 建築・巣舞づくりにおけるニーズと言っても様々だ。とても多くの夢をお持ちである。全てを叶えることはとても難しいことでもある。プライオリティー№1は何か?その方の中心になっているものは何か?周辺のものはどれであるか?を的確にキャッチし優先順位を付けることもしなければならない。
・ 自分の事だけを考えていると見えない壁が大きくのしかかってくるのである。
・ 500近くもの会社開設に関わったと言う明治の偉人:渋沢栄一氏は「論語と算盤」の勧めをした。倫理と商売の勧め!である。
・ 3方良し!の大江商人の話も当社の3笑主義と前のブログでも重ねた。
・ 本物の商売人の勧めである。
・ 建築を学ぶ学生に本物の商売人の話をして最後とした。建築科の先生方から私が非常勤講師に指名された意味合いからも、きっと実務の世界からこんな話をしてほしいと思われたと一人思い込み終講とした。
* 建築は雑学だと言われている。そうだとすれば私は何も知っていないことになる。
・ 学生たちとヴィトルヴィウスの建築10書(紀元前30年前後)について考える時があった。
・ 文学・絵画・医学・音楽・哲学等々多岐にわたって精通していないといけない。
・ この度の交議の「テーマ探しの旅」はその中で哲学を学ぶことと同義語かもしれない。
・ ヴィトルヴィウスの言葉:「建築は強・用・美の総合芸術である!」けだし名言である!
弊社スタッフ:室長からコンセプチュアル実例住宅のスライドを!この日は忍者屋敷の巣舞!
居心地の良い空間とは?
居心地の良い時間帯でもある?
真剣なまなざしに!講義は交議になる!
不公平と平等の概念は?