高田清太郎ブログ

第101回一努会(社内啓蒙活動)開催



建築/巣舞.間知.趣舞

すまいは巣舞
巣は形・舞は想い
想いを形に
巣舞るフォー・ユー
高田建築事務所

H銀行元頭取のご講演を賜った。
演題「銀行生活を振り返ってみて」

*    年三回開催されるタカダグループの社内啓蒙啓発活動を一努会と呼んでいる。
・    開催月は4月・8月・12月である。4ヶ月に一回の開催である。
・    例年だと8月は長岡花火2日目に合わせて開催である。会の終了後、高田建築事務所と愉快な仲間で上げる長岡花火を一緒に観るためである。
ところが、今年の8月3日は日曜日であった。そこで今年は8月5日(火)に開催されることになったのである。

* それにしても101回とはなんとも美しい数字だ!わくわくした思いで開催を待ち望んだ。

*    第一部の担当は設計部門である。
・    「これができたらあなたも設計部!? はぐくむChishiki みんなでSouzou ウルトラクイズ de 勉強会」
・    建築にまつわる常識から特殊問題2者択一方式で開催である。自分の答える方向(右・左)に移動する。結構体力がいるクイズである。
・    午後の一番の活動は中々睡魔が襲うところであるが体を動かしてのゲームとなると皆生き生きとしていた。
・    優秀者にはとても価値ある賞が与えられる。
・    50分という時があっという間に過ぎた。

*    第二部は「リプチの森の新展示場設計コンペ」の結果報告と表彰である。
・    6案提出された夫々の案にはどれもきらりと光るものがあった。
・    一等案はテーマから更に発展していくスケルトンが提示された案であった。

・    審査側からはこのままではない今後審査委員側の意向に応じて変じていくことが条件であった。
展示場というよりもパビリオン性を持った建築であることを特筆させたい。

*    第三部は久須美北越銀行前頭取から「銀行生活を振り返って」と題して75分間のご講演を頂いた。
・    久須美様は弊社の築縁様でもあられる。
・    普段私たちの身近の生活の中で関係する銀行のトップの経験者からお聞きすることはとても稀な機会である。・・・・以下はご講演要約である。

①    経営環境の変化:今ほど確定的な時代は無かったのでは?(不確定ではない)
・    企業は環境適応業:しかし環境がどんどん変化していく。ついていけないことが多々ある。
・    その一つは社会の変化が見えないことによる原因が挙げられる。
・    しかし、今の時代はその変化が明確だ。
・    グローバル化/人口減少:少子高齢化/女性の活用
・    しかし、一般定石だった円安が進めば輸出が増える?は違った。増えない。
・    だから時代の変化を見据えて+進むべき方向を示し、みんなをその気にさせれば!

②    銀行総数(大手行・地銀・第二地銀)は約100社:
・    その中で平成13年に危ない銀行ワースト10に入った。
・    不良債権問題も沢山抱えていた。

③    頭取になれと言われたとき(6年前:3期)に考えたこと!
・    どうしたら頭取を辞められるか?:他行と同じスタートラインに立てたい。
・    そのためにはどんなことをすれば良い?:変わったと実感できるようにしたい。
・    今想うこと:こんなに良い人材がいればうまくいって当然。
・    ただ人を育てることは難しい。
・    そのためには「その人の能力を発揮できる配置にしてやり、自ら成長していくのだと想っている。
/ポジションを少し上にする。/適材適所

④    業績が悪くなるのはトップの責任・業績がよくなるのは社員が原因
・    魚は頭から腐る!ということと一緒である。

⑤    新潟県は人口減・事業所減が顕著:銀行数は変わらず。
・    縮む市場環境を見据えて。
・    それに逆らって取引基盤を拡大するのか?
・    行動範囲を自ら限定していくか?
・    更なるコスト削減を進めるか?
・    あるいは再編を考えるか?
・    ・・・・・その方向性を明確にしなければならない。

⑥    当行がどうしてワーストテンから抜けられたか?
・    破綻企業(H13年):将来の不測の損失に備えた予防的引当(特別引当)を実施
・    リーマンショック(H20年)30%以上下落した銘柄を全て減損処理した。(基準は50%であったから破格の処置であった)
・    悪いことは前倒しして処理する習慣に!良いことは後ですれば良い。
・    悪い報告はスピーディーに上司に報告をしよう。よいことは遅れても良い。場合によってはしなくても良い。

⑦    不良債権処理に目処がついてから、当行は具体的にどんなことを考えてきたか?
・    やめる時に社員から「良い会社に勤めていたな」といわれる会社を作りたい。
・    人口減少やグローバル化に如何に向き合い、環境変化に逆らった企業体質づくりに向けて
・    ・・・・取引基盤の拡大+スリムな経営体質の構築を進めて、変化する当行を皆で実感し、自己実現のレベルを上げたい。
・    給振先数アップ・年金指定件数アップ・個人取引先アップ・企業融資先アップ・
・    スリムな経営体質の構築:経費322億円(H19年)を222億円(H24年)=100億DN(並々ならぬ数字であると感慨深いものがある)

⑧    6年間を終えて嬉しかったこと:
・    銀行100行の中平均年間給与ランキングが86位(H15年)から30位(H24年)になった。
・    給与を減らすことは、経営努力の不足と考えるべき。

⑨    いつの時代も難しい時代になったと言われるが、
・    いつの時代も明日をどう見通すかの競争であることは変わりはない。
・    そして、今日も出社することが嫌でない企業風土に皆でしていきたい。
・    ・・・・・当社で言う:仕事を楽しむ。苦しみの中に楽しむ。面白い仕事をする。

⑩    ステイクホルダーの一番目は社員である。それからお客様そして株主だ!
・    時々勘違いする。お客様第一と!確かに間違いではないが、社員が喜んで仕事をするようになればお客さま満足に必ず伝わっていく。
・    ・・・・・正にCS(顧客満足)からSS(社員満足)が基盤である。

・    ・・・・・久須美前頭取のお人柄をお伝えするに一番良いシーンを想い出す。
・    それは、二年前の北越銀行の決算報告会に参加させていただいた時の出来事である。
・    決算報告が終了後、質問の受け付けた時の出来事である。決算報告会に出席させていただいた参加者はどなたもご存知な事であるが。
・    C社の社長が手を大きく挙げられた。「質問ではありませんが、御礼の言葉を述べさせていただきたい」と前口上があり、続いて「私どもの会社が具合悪くなった時に多くの銀行は水が引くように去っていかれた中、久須美頭取がこられて、心配しないで仕事をやってくれ。最後まで応援するから。と言われたときにはとても感謝でした。現在立ち直ったのもその時の言葉と事実支援が有ったからです。この場を借りて感謝申し上げます。」
・    ここまでだと普通見られるシーンかもしれないが、その感謝の直後に間髪をいれずに頭取が挙手されて、「とんでもない御礼を言うのは我々です。不良債権を抱えて困っている時に私たちの銀行を見捨てずに支えてくれたのは取引頂いた皆様です。感謝するのは私どもです」と言い切られたのである。
・    大切なのは考える間もない、間髪をいれずである。普段からこの考え・思考になかったら出来なかったことだと想う。
・    とても感動的なシーンであった。
・    私にとっては、そんな思いを胸に抱いての講演会であった。大変勉強になり今後の宝としたいと想っております。感謝・万謝である。

*    第四部は会場をAPMに移動して第24回のAPM大学と連携である。
・     題して「もりもり鼎談」である。所要時間は1.5時間であった。
・    2013年度日本建築学会北陸支部の北陸建築文化賞を受賞した二つの作品の設計者である二人に基調報告と秋山孝館長が加わっての鼎談である。
・    もりもり対談の一つのもりは長岡造形大学構内に設けられた(マロの森:丸山正三画伯の作品を収納しながら展示を楽しめる施設である。設計者は長岡造形大学の建築学科の教授である山下秀之先生である。
・    そしてもう一つの森は弊社で造らせて頂いた48区画の分譲土地の「リプチの森」の間知づくりである。長岡自動車学校の跡地を利用しての個性ある住宅分譲地である。

*    第一部から第四部まで大変長時間になったことと内容も建築だけでなく経済問題にいたるまで多岐に渡った。とても充実した一努会になった。関係者各位には大変なエネルギーを使っていただき101回の記念となる一努会を終了することができたことを感謝したい。
・    お陰さまです。
・    有難うございました。

第一部:ウルトラクイズ de 勉強会

第二部:リプチの森の展示場コンペ表彰式


第三部:久須美前頭取のご講演と藤田支店長からの花束贈呈式


第四部:APMに会場を変えてAPM大学開催:もりもり対談+鼎談     記念写真です。