アートと建築を楽しむ休日 ~富山編~
デザイン・インテリア
日々のこと
今年の夏、富山市にある「TOYAMAキラリ」に行ってきました。
2015年に隈研吾さんの設計で建築された複合施設です。
富山名物の「ガラス・アルミ・石」を組み合わせた外観は、隈研吾さんならではの斬新さを感じつつも、不思議と街に馴染んでいました。
素材に角度をつけることで光が様々に反射し、建物自体が美しいアートになっています。
建物の中に入ると1階から6階までを貫く大きな吹き抜けが。
南側の天窓から斜めに差し込む光が、そのまま斜めの吹抜けを通り各フロアに拡散される設計になっています。
外観の雰囲気とは変わり、内部は富山産の杉板が使用され、とてもあたたかい雰囲気です。全ての杉板を並べると約10㎞の長さになるんだとか…。
建物も楽しみにしていましたが、もうひとつのお目当ては、
中に入っている「富山市ガラス美術館」
特に最上階に展示されている現代ガラス作家の巨匠デイル・チフーリ氏による部屋いっぱいの作品は圧巻!!
引用:富山市ガラス美術館HPより
生き物のようにうねるガラスや、宇宙を感じさせる作品など、ガラスの概念を覆されるようなとても刺激的な経験でした。
写真撮影はOKなのですが、WEB投稿は禁止なので、ぜひ実物を見ていただきたいです。
また、別なフロアで学生さんのガラス作品の展示が行われていて、動画で制作の様子も見てきました。ガラスというと繊細で壊れそうなイメージが強かったのですが、大きなガラスの塊を削りだして作る作品もあり、まるで石と格闘しているようでした。体力・腕力も必要なんだと、驚きでした。
そして、ガラス美術館と吹抜け越しにつながっている図書館も静かに見学。
きれいな本棚だなぁと思って近づくと、その理由が判明。
棚板の先端が斜めの先細りの形状になっていました。(ちなみに建築用語ではテーパーがかかっていると言います。)
本は重量があるので、それなりの厚みがないとたわんでしまうのですが、そのままでは厚みが目立ち、重たい印象になってしまいます。
テーパーがかかっていると、視覚的に軽くスッキリした印象を与えることができます。
実は当社の住宅でも、建具や軒のデザインなどによく使う手法です。
こんなところにもアイデアの光るデザインが。
鏡にサインを取り付けることで、「多目的ルーム」の文字が前後どちらの方向から来た人にも分かるようになっていました。
建築とアート作品を両方楽しめるとても魅力ある施設でした。
また、富山の町も楽しんできました。
富山では路面電車がたくさん走っており、新潟では見かけないその珍しさに子どもたちは興味深々。大人は車で電車と並走するという体験に、ドキドキでした。
夕食はすぐ近くの「SOGAWA BASE」へ。
食料品のマーケットと個性的な飲食店が集まったモールです。
テイクアウトもイートインもできるおしゃれなフードコートのような雰囲気です。
そして、裏通りにユニークなものを発見。
空きテナントのウィンドウ越しにかわいいシルエットが!
カフェでお茶をする人、
ミーティングをする人たち、
塾の生徒と先生、
美容師さん...
などが描かれ、この場所をこんな風に使ってはどうですか?という提案と宣伝がさりげなく行われていました。空きテナントの寂しさも薄らいで、街の活気を損なわないアイデアにも感心。
新たな発見や、経験ができた魅力いっぱいの富山旅でした。
寒くなってきて、なかなかお出かけが億劫になってしまいがちですが、冬ならではの楽しいスポットをまた探してみたいなと思います。
新潟営業所 営業部 杉山