高田清太郎ブログ

NO.17 「DOCI」・・・・21世紀占うキーワード



エッセイ

新年おめでとうございます。一年の計は元旦に有りといいます。特に今年は二十一世紀の初日でもあります。私は自分に「二十一世紀はドッチの方向?」と質問しました。
すると、「二十一世紀はドッチの方向!」という答えが、こだまのように返ってきました。「?」「!」が違うだけです。正月なので、いろはがるたにあやかり、ローマ字カルタ風に表現すると「DOCI」となり、二十一世紀を占うキーワードと解釈しました。
最初の「D」はデザインのD。建築の三代要素は「強・用・美」といわれています。強さと機能については、かなりの部分で技術集積がされてきています。

物づくりで豊かさを求めた二十世紀に対して、二十一世紀は個性あるデザインがすべてのベースとなるのでしょう。住まい造りは単に物づくりではなく、生活デザインそのものなのです。
「O」は、オーガナイゼイション(有機的存在)。建築行為の中でもとても大切なキーワードです。建築資材やエネルギー問題は、自然との有機的関係を今、あ らためて問いただされています。昨年施行された品質確保法は良き物を造る尺度=数値化、ランク付け=を示しながらも、一方で人間の感性の部分を含めた、住 まいのあり方を再考する必要性を提示してくれたのです。また情報開示に拍車がかかり、すべてがオープン化される「O」でもあります。
「C」は、住まいづくりをするときに大切なコンセプトです。わが家にネームをつけ、物語を考えると、とても楽しい空間が出来上がります。さらに建築するとき、施主とのコミュニケーションの「C」でもあります。情報化社会であればあるほど重要になります。
最後の「I」はインディビジュアル=個性=の意味を持ちます。時代はまさに十人十色を飛び越えて、一人十色の時代。住まい造りにおいても個性化には一層の 拍車がかかるでしょう。グローバルな世界の中で個性の大切さは避けては通うれない命題です。そして二十一世紀は、「I」のイニシャルを持つインターネット の時代です。しかしそれは情報処理や伝達の手段とわきまえ、むしろ大切なのは、それらに盛り込まれる創造心や感性こそ原点であることに心したいものです。
建築は「はじめにイメージありき!」です。イメージは言葉でもあります。それは創造そのものなのです。そして、豊かな空間の母体でもあるのです。住まい造りも遊び感覚で楽しむ時代の風景なのかもしれないと、納得し、一人面白き元旦でありました。良き年を祈ります。