高田清太郎ブログ

音響〔オンキョウ〕計画しなかったのに!オキョッ!はどこの方言だったか?



建築/巣舞.間知.趣舞

秋山孝ポスター美術館長岡〔略してAPM〕は、美術館なのに「音響がとても良い!とのお墨付きを頂きました」というご紹介?をします。
オープンの数日前に、式典で生演奏をお願いした畠山徳雄氏(ギター)と片野大輔氏(チェロ)によるリハーサルが行われました。この時に、「ちょうどいい残響音でとても酔ってしまう。この場所で生徒達に教えたら生徒たちがうまくなったと勘違いしそうです。」というお褒めの言葉?を頂きました。(北海道のサラサラの雪質のスキー場でうまく滑れたのに、長岡スキー場ではベタ雪のために急激に下手になった様な感覚?)
普通の打ち放しコンクリートの壁面で囲われているコンサート会場では、音がビンビンと跳ね返ってくる。
その音響と比べると格段の差があり、ここはとてもいい空間だと絶賛してくださいました。
また、残響時間は3秒あると言っておられました。〔私はこの辺の微妙さは感知できていません〕
実は、APMはコンクリート壁の中にスチールブレースで耐震補強を行いました。空間を300ミリ位取りその内側にコンパネ12ミリとボード12.5ミリを張ってあります。吸音版が設置されていないので残響音が残りますが、RC壁と内壁の間の空間が振動して緩衝帯になってくれているのではないだろうかと思います。
長岡ルーテル教会(通称:ゆきんこペンギン教会)で演奏する人達も口を揃えて、とても良い音響空間であるとお褒めくださいます。こちらは神奈川から来たチェンバロ製作者が残響時間4.3秒と言っておられました。
木造空間で天井が高いので反射音が柔らかく良いらしいです。
両方とも特別な音響設計をしたわけではないのですが、音楽家達〔特に弦楽器の方〕は、良い空間だと絶賛くださいますから本当に有難いです。この2つの建物は、意識的には造らなかったが、無意識に出来てしまった音楽堂?といっていいかもしれません。
予想していたこととは違って、思わず感嘆詞:オキョッ!何故か私にはオンキョウと聞こえてしまいます。どこの方言だったか似ています。
建築のお手伝いをさせていただいたお客様との間でも、予期せぬ好結果が出るとお互いににんまり感動です。落語の面白度は、予想できない落差の大きさにあるといいます。

   両氏による音あわせ        金庫の扉を背に練習する畠山先生

  ゆきんこペンギン教会にて音楽会      ゆきんこペンギン教会