高田清太郎ブログ

「我田引水」の将来予測データ!?



エッセイ

今年は豊作だ!しかしただ!豊作に対する方策は?

凶作は地獄!豊作も地獄?豊作を喜ばない農家の人たち心境!
今年は記録的な猛暑・酷暑続きである。
もうそろそろと思いながらも、9月中旬になっても暑さは一向に衰えを見せない。
水稲はまさに水が命!かんかん照りでは稲作の成長に心配が付きまとう。水の管理が農家の人たちの大仕事でもある。水の調整でお米の出来が大きく変わる。「我田引水」なる四文字熟語が付きまとうのは頷ける。そのままである。
ところが、雨が降らない日が一ヶ月近くも続いたと思ったら、一変:今度は台風が大雨をもたらした。全国各地で河川の氾濫情報が届く。極端から極端の天候である。そして一気に秋風がやってきた。
勿論、この変動も人間にとっての極端であるが、自然世界ではバランスを求めての安定活動であるのだろうが。
今年の初夏のころは畑のキュウリ、ナスはとても良い出来だと聞いたが後半戦は水不足でそう喜んでもいられなかったようである。
天候に恵まれた田圃の稲はすくすくと育った。毎朝の散歩から眺める風景は、間違いなく今年は豊作であることを告げていた。と私は確信していたのであるが。しかし、多くの農家の方々は異口同音に「そんなことはない」「それだと困る」と返答があるのである。しかし、極々、稀であるが、「お陰さまで。有難うございます」の返答には私のほうまで素直な気持ちになれ嬉しい。
豊作だね!に対して「そんなことはない」の返答の根拠は、確かにガラばかり大きくなっても実の入りが良くなければ上等米にはならない。同時に美味しくも無いらしい。つまり、量と味である。
私の同級生A君と田圃で出会う。
“今年の稲の出来はどうだ?”と私の質問に、A君の答えは“今年の出来は?マーまーだな!しかし、これで単に喜んではいられない”
減反政策が進む。今年は38%減反が50%になるのではないだろうか?
現在、自分が管理している田圃は250反〔25町歩〕その内、自分の田圃は14反である。
農業経営上からも凶作は一番の大打撃である。しかし豊作も厳しい??「豊作だね!それだと困る」という言葉の根拠は「豊作―減反―豊作―減反」の負の連鎖政策だそうである。
現在日本の食料自給率は40%にも満たないのに、減反政策を迫られる国家政策を見直す時期が来ているのではないだろうか?と言うよりも、もうとっくに過ぎているのだろうが!
豊作に対する方策は?
農業経営の難しさ:国家運営の難しさを教えていただく散歩講義である。
それでも嬉しい情報はある。散歩途中で出会った爽やかな青年がA君の子供であることは顔を見て直ぐにわかった。農業を継承してくれていることを心から感謝したいのである。〔それにしても、親子とはこんなに似るものであるか?とDNAの技を驚きながらA君の息子であることを再確認した次第である〕

* 食糧危機の他に様々な危機が時と共にやってきている。空気問題・水問題はその際たるものである。
現在は情報化社会!様々な情報が行き交う!そしてその情報が必ずしも中立的に出来ているとは言いがたい場合も多々ある。
我田引水型データ・タンクである:自分・自部門・自国にとって都合のいいように解釈できるようにデータを揃えるのである。
将来をある方向に持っていこうとする時には、一つには「輝ける目標」ともう一つは「物心両面から不足する部分を指摘しての警告発令」である。
1972年、私が大学生四年生の時にローマクラブが「成長の限界」をまとめて発表した。これは、自然資源が後何年で無くなるというデータ発表である。産業成長の基幹エネルギーである石油も鉄もこのままの成長では十数年しか持たないというものである。
大学卒業してこれから大いに活躍しようと言う輩にとっては、お先真っ暗であった。しかしこの警告は真剣に資源を大切にしなければならないという意識を育てるための強烈なターニングポイントになったことは間違いなさそうであったが。

* 自給率問題は簡単ではない。参考までに一つの意見がJBPRESSに取り上げられていたのでそのままご案内する。
紹介されている一冊の本:「日本は世界5位の農業大国」は農業に関する常識、思い込みが、見事なまでに覆される1冊である。
多くの人はこう信じているはずだ。「日本の食料自給率は低い」「世界的食糧危機が将来やって来るから、日本は食料自給率を高めて備えなければならない」「日本の農業は弱く、保護しなければ崩壊してしまう」──。
しかし『日本は世界5位の農業大国』によれば、これらはいずれも農林水産省がでっちあげた大嘘、インチキだという。
『日本は世界5位の農業大国』(浅川芳裕著、講談社、838円、税別)
筆者の浅川芳裕氏は農業専門雑誌、月刊「農業経営者」の副編集長。豊富な取材事例と膨大なデータを基にして、論理的かつ明快に、農水省がいかに国民を欺(あざむ)き、洗脳してきたかを明らかにしている。
まず、日本の食料自給率は決して低くない。農水省は「40%」という自給率を取り上げて、先進国の中で最低水準だと喧伝している。だが、これはカロリーベースの数字であって、生産高ベースで見れば66%と他の国に見劣りしない。
浅川氏によれば、実は40%というカロリーベースの数字自体も、できるだけ低く見せようとする農水省によって操作されたものだという。そもそもカロリーベースという指標を国策に使っているのは世界で日本だけらしい。
浅川氏は同様に、世界的な食糧危機は現実的にはやって来ないこと、日本の農業は世界有数の高い実力を持ち、食料の増産に成功していることなども論じており、こちらも説得力に満ちている。なにしろ日本の農業生産額は約8兆円で、世界5位。日本はれっきとした農業大国なのだ。
それにしても農水省は罪深い組織である。農水省が国民を欺いてきた理由を一言で言うと、組織と役人の自己保身のため、ということになる。「窮乏する農家、飢える国民」のイメージを演出し続けることで、省や天下り先の利益を確保し、農水省予算の維持、拡大を図っているのだ。
本書は単に知られざる事実を明るみにしただけではなく、日本の農業政策に大きな一石を投じ、実際に影響を与えることになりそうだ。浅川氏に、本書の反響や農業政策の今後を聞いた。
・・・・以降お読みになられたい方はJBPRESSへ!又著書は『日本は世界5位の農業大国』を!

*そして、説得力ある、どのようなデータにも我田引水の性向があることも避けて通ることは出来ない。様々な角度からも要チェックである。

   かんかん照りで土割れが至る所に!   案山子の影武者が稲を守る?    同級生のA君は大農家!
   毎日の手入れは重労働である。     実るほど頭を垂れる稲穂かな!    稲刈り後の株に新芽が出てくる。

   大雨で稲が倒れてしまって大海原に