「百年の風」100周年記念モニュメントが完成:「夢を追うもののみが夢を叶える」
エッセイ
後に「百年の風」と命名された長岡商業高等学校創立100周年記念モニュメントの製作依頼が秋山孝多摩美術大学教授にあったのが1年以上前の話しである。
秋山先生の最終スケッチが出来、そのスケッチを具体化するためのプロジェクトチームが立ち上がったのが4月10日であった。
秋山先生から頂いたスケッチを元に製作を弊社の方に依頼されたが、とても私共の手に負えるようなものではなかった。そこで秋山先生と同行で私の大学時代の研究室の恩師である構造デザイナーの斉藤公男日本大学名誉教授(理工学部建築学科)にご相談に行ったのがこの日:4月10日であった。
それから丁度、半年後の10月8日に「百年の風」が無事に完成し除幕式典が挙行された。当日は雨空も上がり天気に恵まれた。
テンセグリック・システム(斉藤先生の命名)で造られたステンレス製のモニュメントはきらきらと輝いており、最高高さ5.2mの先端についたトップコーンは天空に向ってまさに打ち上げられんと時を待っている弓矢の様であった。
美しい!フォルムは通過した「百年の風」の記憶をイメージするにはピッタリである。
五段に組み合わされたパイプの中の夫々に2個づつのソロバン玉を封じ込めて計10個(1個10年と数え)の玉が100年の風をイメージしたものである。
それはある力を加えるとクルクルと回転するのである。強風が吹けば多少は回転するのであるが、手動回転は計算機ではないソロバンらしさを表してくれている。
モニュメントの横には沿革とコンセプトが刻み込まれている。
・・・・・・・・・創立100周年記念モニュメント「百年の風」・・・・・・秋山孝多摩美術大学・秋山孝ポスター美術館長岡館長・・・・・
「風を感じる」「風を聞く」「風を知る」をテーマに創立100周年記念モニュメント「百年の風」を制作しました。
モニュメント「百年の風」は算盤の玉の形状から生まれ、構造はバランスと調和の美を持ち天にそびえ立ち自立しています。
「風を感じる」「風を聞く」「風を知る」という純粋な造形です。そして「士魂と商才」をおおらかに天に告げる100年のメッセージです。
この純粋造形は、接触・連結する圧縮材を連続的な張力ストリングで統合・安定化させるという「テンセグリック・システム」(命名:斎藤公男工学博士)から生まれています。
・・・・・・・・・・ヨネックス会長米山宏作さまの記念講演・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「夢を追うもののみが夢を叶える」と題して同窓大先輩である米山宏作ヨネックス会長から100周年記念講演が行われた。
石川遼選手は58という世界記録を達成した。天才である。しかしその天才も今日のようになるには強烈なイメージを持っていた。
小学校4年生の時にお父さんと一緒にヨネックスを尋ねる。その前には大手のスポーツ業者を回ってきたが、相手にしてもらえなかったという。
あのタイガーウッズが優勝した時にTVで見せたきらきら光っていた姿を少年遼君の目に確りと焼き付けていたのである。
米山会長はじめヨネックス幹部の目に留まったのが、世界一になりたいという小学校6年生の時に描いた卒業作文である。そこには明確に目標達成の時期が書かれていた。
20歳にマスターズに出てゴルフしている姿を強烈に思い浮かべているのである。マスターズは世界の強豪30名?が選ばれて戦う世界最大の大会である。
またどんな選手に成りたいか?の質問に
①世界一になること②世界一好かれる人になりたい!が石川遼君の描いた夢であった。
世界の石川遼として益々頑張っていただきたい。また、そんな強運あやかりたいものである。
・・・・・・・記念式典で森長岡市長から祝辞があった。その中で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
長岡商業高校は他の高校等が県立で設立されたのに長岡商業高校だけは市立で開学した学校である。これは長岡人にとっても市長である私にとっても極めて意義が深いことになる。
・・・・・・・ここにも長岡人の「士魂と商才」の意気込みを覚えることが出来た。
除幕式を待つ”百年の風” コンセプトと沿革は確りと黒御影石に ”百年の風”のデザイン・製作社名
トップコーンは弓矢のように 美しい”百年の風”全景 除幕式ではコンセプトの話に秋山先生の力がはいる
モニュメントを前に思わず秋山スマイル
記念式典ご挨拶は太刀川会長様 記念講演は米山宏作ヨネックス会長+懇親会にて秋山先生・米山会長・高田
祝宴はニューオータニ白鳥の間+3会場にて