高田清太郎ブログ

真理はシンプル!? 2013新卒者会社説明会 我が母校:長岡市立宮内中学校新校舎がプレオープン 初釜の正客さん誕生!



エッセイ

* 新年になると来年度の新卒の皆様の就活が始まる。
弊社でも昨年末と今年の1月4日に新潟市にあるトキメッセで行われた合同企業説明会に参加した。2013年度入社の会社説明会であった。
そして本日1月15日は弊社単独の企業説明会が開催された。二回に分かれての説明会である。第一回目の本日は26名の参加があった。所要時間約2.5時間をオーバーしてしまった。会社側の説明者の話し時間は私以外は守ってくれたので私のオーバー分は挽回できたのであるが、参加学生との分科会的な座談会とアンケートを書く時間にも多くの時間が費やされたからでもあった。
外はかなり寒いのに小会議室は熱気であふれていた。我が社の説明会が学生諸君へのエールに変わっている自分がそこにいた。
私の話は:人類は居場所探しの旅人であること!居場所がないと人は生きていけない存在であることをお伝えしたかったのである。また、理想の建築を探して求めてほしい。更に若いうちから志を持ち自分のテーマを決めて探求し続けていくことを力説した。引き続き、会社の経営理念・社是のご紹介と続いた。
目に見えるのは本当に一部分であり、沢山の目に見えないことがとても重要であることをお伝えした。
「参加者諸君よ!日本の将来は君たちに掛かっている。輝ける未来に向かって頑張ってくれたまえ!」と。テーマを掲げ夢と希望を持ち続けてほしい。前途は決して暗くはなく、信じる者にしか見えない輝ける未来がある!ことを確りとお伝えしたかったのである。
それにしても建築を学ぶもの達全般に建築バカが少なくなってしまったような気がするのは私だけだろうか?ちょっとさみしい気がする。なんでも建築学科の希望第一が公務員らしい。
説明会後のアンケートでは“かなりの入社意欲が高まった!”と言う該当者が殆どで参加者のほぼ全員が第一次面接に進むというからこちらもびっくりである。
会社説明会では私からの企業理念の話を切りだしに常務からは会社の組織概要について、設計営業課長からは他社との仕事の仕方や内容について。そして11年・4年・1年先輩社員からの会社紹介が続く。
スタッフから見た会社の姿が披歴されるのである。そして、この時ほど感動せずに聴くことはできなかった。まるで社聴教室である。
スタッフ一人一人は高田建築事務所の立ち位置が他社と決定的に違うことを明確に発表してくれたのである。自由・個性・やりがい・評価・感動についてストレートに発表が続くのである。それが高田建築事務所の存在そのものであるからである。
スタッフの発表を聞いていて、今の時代ほど「塩が塩味をなくしたら何でその味を取り戻すことが出来るだろうか?捨てられて人に踏みつけられるだけである(バイブル)」
タカダの塩の味とは何か?命・DNAは正に若き世代に引き継がれていこうとしている。感動の極みである。
第二回目の会社説明会も2月15日に控えている。
  
トキメッセで行われた合同説明会風景  ニューオータニ長岡で開催された個別企業説明会とグループディスカッション!

* 真理はシンプル?(真理はあなたを自由にする!)
20120115:企業説明会場のニューオータニ長岡のエントランスホール前でG大工さんにばったり出会った。正に20数年ぶりである。
元気していたか?同行者は誰だ?スタッフか?息子か?と質問の連発!こちらも切りだす。
赤ら顔をしていたので、“今日は目出度いことありましたか?”“いや~そんなことでは無い”と言ったすぐ横に奥様が現れた。“娘の縁談の話でちょっと!”“おめでとうございます!”と話は続く。
G大工さんは普段お酒は飲まないと言った。私の記憶しているGさんはかなりの酒豪家であったはず。なのに、今は飲まないと言う。病気でもされたのかもしれないと思い。“どこか具合が悪かったですか?”と聞くと、全然!大丈夫!病気一つしていないと言うのである。
私もいつかお酒をやめたいと思っている自分がいるので、どうしてお酒をやめたのか?是非とも聞きたい自分を止めなかったのである。
だからもう一度聞いた?「どうしてお酒をやめたのですか?」間髪を入れず、「飲まなくなったから!」えっ?ごくごくあたりまえの答えではないか?余りにもダイレクトにシンプルであったからその先に質問が出なかった。この回答は長い間、暗中模索のトンネルの中にいた自分にフラッシュに近い光が飛び込んできたような気がした。
そうか?どうしてお酒をやめたのか?飲まなければいいだけ!自分に言い聞かせよう。聴いてくれるかどうかは心配だが一理は千理でもある。
想い出した。それは幼き日の赤城神社の境内である。お祭りの日には境内に設置されている相撲を取る土俵が積まれていた。小学校の低学年だったと思うが土俵に上がった私を大声で声援を送ってくれたのであった。「ほら、タローがんばれー!がんばれータロー!残った残った」そしてついに優勝したのだ。G大工さんは素朴さの中にも親分肌気質を持っておられた。今でも忘れられない声援であった。

* もう一つ想い出した。私がたばこをやめる時の話である。
そもそもいつタバコを吸い始めたのか?記憶では大学の2年生の末であった。新小岩で下宿をしていた時である。アパートの某住人がハワイから手紙が来たので英語を訳してほしいと言う依頼であった。私は辞書を調べながら訳文をお届けした。すると夜に、御礼だと言うのでショートホープを二箱届けに来られた。私はたばこは吸わないので!とお返ししようとしたが、それではお友達にでもやってください。と最後まで食い下がられた。
しかたなく受け取って鴨居の上に置いた。何時か誰かにやろうと。そして、長い間忘れていたのである。設計課題も重なりハードな提出を終了して横になってふっと天井を見ると鴨居にタバコがあるのに気が付く。どんな味がするのか?吸ってみることにした。最初はスーッと喉を通ったがしばらくしてむせてしまった。今から思うとニコチン度の強いたばこであった。それから徐々に吸うようになった。吸う度にゲーゲーとなり、決して私には合わないことは分かっていたのであるが、中々今度はやめられない。図面を描くときには常に煙がないと落ち着かない。ドラフターの脇には灰皿が煙を立てていた。吸わないとイライラしてくる。そして吸ってもイライラしてしまう。
どうにかやめようと挑戦するが中々できない。やめようやめようと思えば思うほどできないのであった。
ある時にやめようと言う意識を変えることにした。「いつでも吸える!」ではないか?
と思った途端に休憩することが出来た。休憩が続いて結果としてやめることが出来た。
G大工さんのひとこと「どうしてやめることが出来たか?」の質問。「飲まなければいいだけ」と言う答えは何とも小気味よい響きであった。
かくも明解な説明を企業説明会で行えれば良かったのである。

* 誕生4:新校舎完成!
我が母校宮内中学校が新しくなった。昨年来工事中だった新校舎が完成である。グランドオープンに先駆けてプレオープンである。本日(1/9)お披露目であった。4つの小学校区ごとのタイムラグでの見学である。私たち家族も出かけてきた。
古い校舎が取り壊されるに当たり各年毎に同級会を開いたりしながら懐かしんだのが昨年であった。その校舎は私どもが中学に入学した年に建設されたばかりであった。古い木造校舎と併設していたことを想い出す。その3年時・昭和39年に新潟地震がやってきた。新校舎の至る所の壁にひびが入ったことを避難しながら目の当たりにしたのである。
全員で校舎の南側グランドに出て揺れの治まるのを待ったのも昨日の如し!平成24年開校の新校舎はその南側グランドの敷地に建設された。新校舎に移動した後に旧校舎の解体が始まると言う。
見学会には大変大勢の皆様がこぞって来ておられた。顔見知りの方々が多いのは当然であるが同級生も多く来ており話に花が咲いた。
とても豪勢に作られていたエントランスホールは大吹き抜け空間に階段や空中廊下が交錯しながら視界が一望できる仕組みである。中学校校舎と言うよりもコンベンションホールに近いものがあった。これも、話を聞けば災害時緊急避難場となるべく要求があっての空間であると言う。
それにしても外グランドとの繋がりの大庇は少々学舎としてはミニタリー調ではないかと言われる批判は甘受しなければならないかもしれない。
屋根構造は格子梁になっており、そのモチーフは宮内中学校の校章をデフォルメしたもので各教室の収納棚まで徹底していた。
加えてライトコートも屋外運動場との接続大庇もとてもダイナミックで訪問者をして刺激して止まないことだろう。
サー勉学する環境は整った。子供たちや孫たちに大いに若き日に学舎を楽しんでほしいし、確りと学んでほしいと切に祈念するものである。
   
中越地震での教訓を活かして、災害時の避難所機能を充実させた。災害時でも迅速に教育活動を再開するため、避難エリアと教育エリアを分けている。
  
エントランスホールに張り出した図書室  体育館の梁構造は校章をモチーフに! 校章モチーフは衝立役の収納にも!

* 誕生5:初釜
年が開けるとすべてが新しくなる。一年の誕生である。
初釜もその年にお茶練習の誕生である。滝沢先生のおもてなしは何時もとても感動である。
最初に通された4畳半小間の床の間は例年の様な蓬莱飾りではなかった。一瞬ハッとした。ふくさの上に置かれた香合に目が吸い付いた。香合は小さいがとても大きく見え、ひと際存在感を醸し出していた。志野焼きである。作者は人間国宝の荒川豊蔵さんと聞いた。
花入れは刀のさやの様な形をしていた。そのそり具合と言い表情は正に手作り感、とても語りかけるものがあった。4代目真清水徹さん作:青薬唐津掛け花(せいやくからつかけはな)である。
小間では濃茶を頂きしばしの語り合い。
席を8畳の広間に移動し最初にお軸を見る。床脇の竹製の花入れが横から力強く迫ってくる。淡々斎作だと聞いた。
また、点前位置に置かれた水差し(作者不明:小石原窯でできたもの)のデザインになお一層強烈に目を奪われるのであった。
広間では薄茶を頂きながら茶室のつくりから、先生が自分で焼かれたお茶碗談義へと話も尽きない。
日本文化が作り抱いた茶の世界がゆったりと後世まで伝えられることを祈念したいと思った一瞬でもあった。
* 今年も様々な出会いと素敵な発想が生まれますように!

  

4.5畳小間の床飾り    袱紗上に置かれた香合に目が奪われる!                作者不明の水差し