高田清太郎ブログ

名医:貝瀬明先生(貝瀬皮膚科院長)



エッセイ
すまいは巣舞
巣は形・舞は想い
想いを形に
巣舞るフォー・ユー
高田建築事務所*    何時からできたかはハッキリしないのだが首の周りに炎症が起こっており日に日に大きく成長していた。
・    ひりひりもするので無意識のうちに手が伸びることも多々あり余計直らなかったのかもしれない。
・    それでも記憶をたどれば最初に気になったのは約一か月前からである。
・    大体この程度なら二・三日で直ると高を括っていたが一向に直らない。
・    家族の皆からは早めにお医者さんに見て頂いた方がいいよ!と言われるのであるが、今までの経験から、その内直るさ!で一カ月が経過。
・    漸く先週に貝瀬皮膚科医院に出かけてきた。
・    貝瀬皮膚科医院は見附市柳橋にあるミトロの森プロジェクト:メデイカルパーク5診療科内の一診療科である。整形外科・耳鼻咽喉科・眼科・内科と建ち並ぶ皮膚科である。
・    調剤薬局と合わせて5クリニックを7年ほどかけて設計のお手伝いをさせて頂いた関係からお世話になっておる次第である。
・    超人気先生である。いつ行っても満員である。16:00頃出かけ、2.5時間待った。受付では「2時間くらい待ちになるかもしれませんが宜しいですか?」と言われた。宜しいですかと言われても待つしかない。いつ来てもそうなのだから待つことにした。それに待ち合いで待っている人たちは20人位だからそんなに掛からないだろうと予想を建てていたが、一巡するとまた患者さんが集まってくる。そして私より先に診察を受ける。そんなことが何巡もあったように思えた。
・    診察後、帰社してから見附に住む弊社スタッフA君に聞くと自分も行くが大体そのくらいかかりますよと言われた。皆さん診察券を入れておいて時間を見計らってくるのだそうである。ディズニ―のファストパスか?迂闊であった。
・  A君自身も虫に刺され腫れが出てきた時に受診に行ったのだが中々自分の番が来ない。あまりにも時間が経ったのでその内に腫れが退いてきた事に気づき、理由を言って診察を受けずに帰ったそうであった。
・    貝瀬先生の評判は遠くまで届いている。A君の様に見る前に診療終了しているのであるから正に名医である。・    しかし待つ時間も考え方によれば楽しい時間でもある。建築させて頂いて10年近くが経過した。あらわされた構造デザインの木柱梁は飴色に焼けて来ており風格を付けてきた。プラン的にも待ち合いの中に組み込まれたアルコーブ庭は待ち合い患者の居心地を良いものにしてくれている。そして、診療室は中待ち合いの入口の丸柱から樹木の枝の様に構造梁が放射状に配置されている。
・    流れるようなプランニングである。そして中待合には成長している細胞壁が健在である。
*成長している細胞壁?
・    以前、社聴熟でやはり貝瀬皮膚科さんで治療を受けたことがある弊社スタッフSさんから指摘されるまでわからなかったのであるが。
・    中待合の壁仕上げは塗り壁である。形状はスタッコ仕上げである。その一つ一つが細胞のように見えるのであるが、その細胞に目が付けられたり、鼻が付いたり、口が付いたりしている。まるでかわいい子供たちである。
・    最初に発見した弊社スタッフによれば時間をかけて徐々に徐々に拡がって行ったようである。待合時間は細胞壁をアートキャンバスに捉えた人たちに改めて感激しているのである。
・    待合時間は書物を読んだり、思索するにはとてもいい空間でもある。
・    そして、1時間が過ぎ2時間が過ぎるころになると、もうそろそろ診て頂きたい。と思っているとまた何巡目かの事前に診察券を出していた一塊の群れが待合に入ってきた。
・    そしてそれから30分:漸く、中待合でお待ちくださいとアナウンスがあった。
・    漸くだ。そして先生と目が合うと、「ご無沙汰です」と声を掛けられた。「首に腫れが出たのですが」と私が言うと「あっこれは肌に合わない下着か服装かが接触してできたものです。」「何かウィルス性のものではないですか」と聞くと。「違います。左首のところははっきりと現象が見えますが、右首の所と喉仏の所にも薄く赤くなっているでしょう。ハッキリと幾何学的に表れた曲線は肌に合わない服装に原因があります。」
・    出された薬は虫刺された時に使われる軟膏であった。「すぐ直りますよ!」であった。
・    案の定2日すると赤味が殆どとれてきた。やはり名医だ。まるで刑事が事件物の鍵を解くかのように推理されるのであるから。
・    以前来たのは2~3年前に上唇に出来たヘルペスの治療を受けたことがある。どんなに混んでいても先生は丁寧にご説明して下さる。それだけで安心して帰宅できるのである。一回診察受けると治癒してしまうのであるから名医である。
*    貝瀬皮膚科と道路を挟んで貝瀬先生の自宅がある。このご自宅建築もクリニック開設時の翌年にご指名いただいた。
・    こちらはギャラクシー(天の川・銀河系)と命名された個性あるコンセプトの巣舞づくりであった。巣舞は大宇宙を旅する“宇宙船”的なイメージでデザインさせて頂いたことを想い出す。
・    プランニングは抽象的なロケットの様なイメージから始まったような気がする。
・    玄関入り口を真ん中に両側には車庫があるがこれはロケットの2エンジンである。
・    15畳大の玄関ホールに入ると中心に水盤がある。その上は吹き抜け空間。吹き抜け空間には縦横に階段が掛かる。中を浮いたようなデザインであるから宇宙船の中をイメージしている。
・    玄関と反対の南西面にはロケットのデザインが施されているベランダがあり南東面には大壁面がある。ここにはイルミネーションかプロジェクションマッピングでも出来るようなキャンバスでもある。
・    そんな訳で貝瀬先生のご趣味が天体観測である。診療所の上には展望塔が設けられている。
・    楽しくて優しくてとても名医であられる貝瀬先生の益々のご活躍を近年する次第である。

貝瀬様邸のファーストプレゼスケッチ(プラント、外観)

カイセレジデンス!はギャラクシー

大きなエントランスホール

縦横無尽に架けられた階段群をのぞむ

長旅には日本文化の香りを同乗させる

ロケット型のベランダと星座スクリーンキャンバス

搭屋に展望教を設置した医院

医院のエントランススペース

受付待合スペース:構造木材は飴色に仕上がっている。

中待合から診察室に!放射状の梁が力強い

待合はアルコーブ中庭を取り組んだ快適な空間に仕上がっている。

中待合壁

増殖する細胞壁(?)

アップされた細胞壁

細胞壁を予言した初期スケッチ(結構自分でも気に入っています)