高田清太郎ブログ

常在戦場:豪雪地帯から見る1m積雪の不思議



エッセイ

すまいは巣舞
巣は形・舞は想い
想いを形に
巣舞るフォー・ユー
高田建築事務所

*    東京では37cmの積雪で交通網は大パニック:40~50年ぶりの大雪だと!

・    甲府市では1mを超えた:孤立世帯が続出した。120年ぶり〔観測以前〕の記録

・    豪雪地帯長岡も今から50年前は道路に消雪設備がなかったので屋根雪が道路に下ろされて交通遮断になったのを記憶している。
・  S38豪雪は積雪3mにも及んだ。全ての社会活動が遮断した。
・    自衛隊が派遣されてインフラ復興にエネルギーが投入された。
・    機械力を補ったのが人海戦術という人力であった。

・    だから、1mでしかないが雪処理インフラや廃雪システムのない時代はその時代の記憶を想いだした。

*    東京難民という言葉がはやった時代があった。大都会にいながら難民生活を余儀なくされるのである。

*    豪雪地帯での雪下ろし依頼:豪雪難民であった。

・    昭和56年だったと記憶しているが年末から振り出した雪が12月30日になっても本格的になってきた

・    22時頃に電話がかかってきた。滝谷在住のI様からであった。屋根に雪が多くたまって建物がみしみしと音を出している。早めに来て雪下ろしをしてほしいとのものであった。

*    12月30日は私の誕生日でもあった。この年は誕生日どころの話ではなく、築縁様の依頼に答えるのが優先された。会社の雪処理をし終えたのが22:00だったのである。
・  だから誰もが疲れていた。

・    明日にしていただけないか?明日朝一番でお伺いしますと言うが、電話の向こうのIさまは何度も依頼を重ねられた。梁の音がみしみしいっているという情景音を入れての願い事であった。

・    一人では自信が無かった。何とか複数人で行かなければと!しかし、社員スタッフは皆、雪ごったくで疲れているのは自明の理!そこで弟の専務に電話して二人で出かけることとした。

・    現場ではI様が言うような梁の音がみしみしという音はしていない。きっと一人暮らしの初老I様には心の声として聞こえたのであろう。音の音域には人によってもかなりの差がある話しである。
・    一生懸命に雪下ろしをして屋根を降りたのが会社出て3時間近くになっていた。

・  時間のかかった理由のひとつは隣接地には屋根雪を落とさないようにといわれる築縁様の依頼があったからである。日にちが31日に跨った。漸く、I様からは安心していただき帰路に着いた。

・    ところが。ところがである。離れ地のために民家のない道路には雪で道路が埋まってしまった。車は雪下ろし道具を持っていくためにライトバンであった。往路はブルトーザーの通った直後であったために交通時間は少しですんだ。しかし、帰る時間までのたった3時間の間に30センチも積もってしまった。復路は最悪:ライトバンのボディーに雪が食いこみ動かなくなった。

・    深夜である。除雪車な容易に来そうにない。道路の雪をスノーダンプで廃雪しながら車の移動をしたのである。距離は1kmであったがとても時間がかかり、心細くもあった。
・    正に雪国難民状態であった。
・    一人が廃雪:そして運転しないと雪の積もり方が尋常ではなかった、
・    本当に二人できてよかったと改めて思ったのである。

・    1mで孤立世帯のお話を聞くと豪雪地帯の人達は笑うかもしれない、私たちは決して笑えない経験をしたのである。
・    自然を甘く見てはいけない。

*    常在戦場:長岡人には今でも続く言葉である。

・  もうすぐ春である!待ちどうしい!

 


春を予感させる日の出!

それでもまだまだ雪国

リプチの森の水門柱から融雪水が流れる

コモンのコラムはわた雪帽子

わた雪帽子をかぶった可憐な雪椿

道路は楽しいタイヤ足跡キャンバス

融雪水が描くパッチワーク模様